ホーム > 表面処理(目的・性能別検索) > 表面処理加工技術一覧 > 鉄系アモルファス合金溶射

鉄系アモルファス合金溶射 表面処理加工技術紹介

鉄系アモルファス合金溶射

加工技術の詳細

アモルファス金属というのは一般の金属(特定の結晶構造を持つ)と違い、元素の配列に規則性がない非晶質という構造を持つ金属です。
アモルファス金属は、強靭性、耐食性に優れ、強度と粘りを両立させることができます。
アモルファス合金の成膜には超急冷を必要とし、非常に複雑で大掛かりな専用装置が必須であるとされていました。近年、溶射による成膜技法が開発されコスト面においても実用性の高い皮膜が成膜でいるようになりました。
鉄系アモルファス合金溶射

鉄系アモルファス合金溶射

加工可能サイズ

ロール、パイプ状外面約2500L程度まで。板上の場合1500×2000程度。
溶射手法によって、さらに大型の製品に処理できる場合もあります。

処理可能な重量

1.5tまで

処理温度

250℃以下。溶射処理時の表面温度は瞬間的に180℃~220℃になります。

優れた特性

1,耐蝕性(耐食性) 厚い不動態皮膜を作りやすく優れた耐食性、防錆性能を持たせることができます。

2,高硬度、耐摩耗性 溶射方法によってはHV800前後の高硬度皮膜が得られます。また100μm以上の厚膜形成も可能です。

3,滑り止め、グリップ力向上 溶射によって鋭いエッジを持つ表面凹凸が得られます。
この表面が母材に食い込むことで(スパイク効果)滑り止め効果発揮します。
溶射に方向性はないので、全方向に対してグリップ力向上させることができます。
多少の油分、水分があっても膜の発生を防ぎますので、効果が低下しにくい特性があります。

此れまでに、ご使用頂いた用途例
耐食性 自動車用マフラー、サイレンサー、煙突
滑り止め・グリップ力 パイプ用チャック部品、ストッパー部品、橋梁プレート
母材

ほぼ全ての金属に対して処理可能ですが、HRCは62以下(母材が硬すぎると、下地処理ができないため)

注意点(処理による欠点等)

下地処理として行うショットブラストによって変形や反りが発生することがあります。パイプの内面側などは内径が小さいと施工が困難です。

納期(数量、サイズによる異なる)

約3週間程度。