特定建設業許可 東京都知事第 94313号
許可業種 (特-3) 管工事業、機械器具設置工事業
許可業種 (特-4) 建築工事業、とび・土工工事業
塗装工事業、内装仕上工事業
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クリーンルームの特徴・
四原則と清浄度

クリーンルームの特徴・清浄度クラス・クリーンルームの種類と方式やクリーンブースとの違いについて解説しています。
また、蒲田工業の実績〈クリーン環境構築 問題解決事例集〉を豊富に掲載し、クリーン環境構築のお客様向けのお役立ち情報としてもご活用いただけます。

クリーンルームとは

クリーンルームの特徴・自由設計施工

クリーンルームとは、汚染制御が行われている限られた空間であって、空気中の汚染物質(浮遊微小粒子、浮遊微生物)が限定された清浄度レベル以下に管理され、またその空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力、微量ガス成分、静電気、微振動、電磁波などの環境条件についても管理が行われている空間のことです。

清浄度クラスとは(クリーンルームのクラスについて)

清浄度クラスとは、清浄度レベルを等級分けする指標のことです。例えば、粒子濃度についての等級付けは、粒径別の粒子濃度の程度によって決定されます。ISO14664-1、JIS B 9920では清浄度クラスを1㎡の空気中に含まれる粒径0.1㎛以上の微小粒子数を10のべき数で表し、ISOはクラス1から9、JISはクラス1から8に分類しています。
※ JIS B 9920 は2002年にISOと整合しています。

ISO14644-1 清浄度クラスによる測定粒径と上限濃度

※横にスクロールしてご確認ください。

清浄度クラス 上限濃度(個/m3)
ISO
14644-1
米国連邦規格
(Fed.Std.209E)
測定粒径
0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 1μm 5μm
Class 1 - 10 2 - - - -
Class 2 - 100 24 10 - - -
Class 3 1 1,000 237 102 35 - -
Class 4 10 10,000 2,370 1,020 352 83 -
Class 5 100 100,000 23,700 10,200 3,520 832 -
Class 6 1,000 1,000,000 237,000 102,000 35,200 8,320 293
Class 7 10,000 - - - 352,000 83,200 2,930
Class 8 100,000 - - - 3,520,000 832,000 29,300
Class 9 - - - - 35,200,000 8,320,000 293,000

※米国連邦規格Fed.std.209Dは、2001年に廃止され、国際統一規格であるISO規格に移行されていきます。

清浄度クラスの解説、清浄度クラスの設定方法について、定義と規格表と併せて解説した動画もご参照ください。(1分あたりから本編が始まります。)

クリーンルームの四原則

クリーンルーム・ブースの清浄度を維持するためには、設備の機能とともに設置後の維持管理が重要です。そのためには下記の四原則を遵守することが不可欠です。

クリーンルームの四原則

1.持ち込まない

  • リークが少ない
  • 室圧制御
  • 作業者は更衣・エアシャワー後入室
  • 材料・機器は清掃して持ち込む

2.発生させない

  • 防塵衣着用
  • 発塵しやすい材料・備品は使わない
  • 無駄な動きを少なくする
  • 不用品を持ち込まない

3.堆積させない

  • 基準に則った清掃の実行
  • 清掃しにくいコーナーをつくらない
  • ダクト・配管類の室内露出を少なくする
  • 帯電させない、除電する

4.排除する

  • 換気回数を多くする
  • 発塵部近くで排気をとる
  • ゴミを製品に付着させないような気流形状を作る

クリーンルームの四原則「塵埃を発生させない」「塵埃を持ち込まない」の2点を解説した動画。53秒頃から本編が始まります。

クリーンルームの四原則「塵埃を除去する」「塵埃を堆積させない」の2点を解説した動画。50秒頃から本編が始まります。

クリーンルームの種類

インダストリアルクリーンルーム(ICR)

インダストリアルクリーンルームは、先端産業である半導体・液晶などのエレクトロニクス、精密機器など工業用に利用されています。汚染物質は、空気中の微粒子が対象です。

インダストリアルクリーンルーム

バイオロジカルクリーンルーム(BCR)

バイオロジカルクリーンルームは、薬品工場、食品工場、病院などで利用されています。汚染物質は、空気中の微生物が対象です(細菌(バクテリア)、真菌、ウイルスも含まれます。)

バイオロジカルクリーンルーム
種類 ICR BCR
清浄度クラス クラス1~8 クラス5~8
中心となる対象粒子 0.1~0.5㎛ 0.5~10㎛で5㎛中心
最終フィルター HEPA、ULPA HEPA、中性能フィルター
主な制御対象 塵埃、微粒子、ケミカル、圧力(+)、気流分布、温度、湿度 微生物、無生物粒子、圧力(+-)、気流方向、温度、湿度
主な維持方法 クリーニング 洗浄、除菌、消毒、滅菌
清浄度モニタリング 塵埃濃度、ケミカル濃度 微生物数、塵埃濃度

クリーンルームの施工例

恒温恒湿クリーンルーム

恒温恒湿クリーンルーム[環境測定実験室や電子顕微鏡、3次元測定機などの精密機器に必要な温湿度を実現するクリーンルーム]

温度±0.5℃、湿度±5%の精密空調も対応可能。断熱パネルを使用し温湿度を保ちます。

CPF・CPC(細胞培養加工施設)クリーンルーム[関連法令(再生医療新法、薬機法)に適合。GMP規格に対応したクリーンルーム]

高グレード環境を実現する清浄度、温湿度、気流を環境モニタリングシステムにて制御。

医薬品・化粧品・化学業界向け封じ込めクリーンルーム[製品の清浄度管理とともに、外部への漏洩や拡散を防ぐシステムが不可欠]

高グレード環境を実現する清浄度、温湿度、気流を環境モニタリングシステムにて制御。高い気密性を有するクリーンルームとHEPAフィルター、適切な空調陰圧制御を組み合わせたケミカルハザード対応技術で対応。

塗装ブース用クリーンルーム[塗装ブースの厳しい環境に合わせたオールフレッシュ空調のクリーンシステム]

バイオ、培養、合成、製剤あらゆるプロセスにおいて高活性医薬製造環境を構築。設計、施工、バリデーション、試運転までをトータル施工で行い、粉体プロセスの安全性を確保。

クリーンルームの代表的な気流方式

クリーンルームは、大きく3つの気流方式に分類できます。

非一方向流方式(乱流方式)

非一方向流方式(乱流方式)
*コンベンショナルタイプ

天井の吹き出し口から給気され、床、壁の一角に設けれられた吸込口から環気をとる方式です。室内の発塵量と風量(循環回数・換気回数)、換気効率により清浄度が決まります。この方式は、清浄空気による”混合”によるもので、室内は不規則な乱流状態となります。吹出口からの清浄空気と室内空気を混合し希釈させるため、超清浄空間には適用されず、清浄度クラス1,000〜100,000(ISOクラス6〜8)程度のクリーンルームに採用されています。

垂直一方向流方式

垂直一方向流方式(整流方式)
*ダウンフロータイプ

天井全面にHEPA/ULPAフィルタを並べて吹出口とし、床下全面を吸込口とし気流を垂直一方向に流す方式です。気流は一様な下降流となるため室内で発生した微粒子は拡散することなく床面近くに押し出され、室外に排出されます。水平式と同様、クラス1~100(ISOクラス3~5)を得ることが可能です。高い清浄度クラスを維持管理するためイニシャルコスト・ランニングコストは高くなります。

水平一方向流方式

水平一方向流方式 (整流方式)
*ダウンフロータイプ

壁一面にHEPAフィルタを並べて吹出口として、対面の壁または天井面を吸込口として、水平方向に均一な気流をつくる方式です。下流側では清浄度が低下するため注意が必要ですが、この方式は清浄空気が発塵源を包み込むような気流を形成するために微粒子の拡散が防止され速やかに排出されることから高い清浄度が得られます。クラス1~100(ISOクラス3~5)の高度なクリーンルーム=病院の手術室や無菌病室に多く採用されています。

クリーンルームの換気方式

クリーンルームには主にオールフレッシュ型と循環型の2種類の換気方式があります。

オールフレッシュ型

FFUを使用したクリーンブースタイプ。全量空気が入れ替わる方式のため危険物取扱い、臭気がある作業の場合もこちらの方式が用いられます。

クリーンルームの換気方式(オールフレッシュ型)

循環型

空調機を使用したクリーンルームタイプでは、一度温調したクリーンエアは循環させることで効率をあげます。省エネ効果に優れています。

クリーンルームの換気方式(循環型)

クリーンルームの換気回数

清浄度クラスを維持管理するための一つに換気回数があります。換気回数とは、部屋の空気が一時間あたりに何回入れ替わるかを表した数値のことです。換気回数は求められる清浄度クラスとオールフレッシュ型・循環型の換気方式によって異なります。

換気回数 = 除じん循環風量 クリーンルーム容積

清浄度クラスの維持管理のための換気回数のポイント

  • 換気回数が増えるほど高い清浄度クラスの維持管理が可能。
  • オールフレッシュ型と循環型で必要換気回数は異なる。
  • オールフレッシュは常にきれいな空気が入れ替わるためランニングコストは循環型と比べると高くなる。

クリーンルームの換気回数と清浄度クラスの関係を解説した動画。1分04秒頃から本編が始まります。

クリーンルーム・クリーンブースの特徴とその違い

クリーンルームの特徴

高気密、高断熱性能を持つ断熱パネルで囲われた部屋をクリーンルームと呼ぶ

  • 壁や天井を高気密・高断熱性能を持つクリーンパネルで囲い、浮遊粒子を制御します。
  • 省エネ効果(空調効率向上)も得られます。

帯電防止や抗菌効果を付与することも可能

  • クリーンパネルの表面材には、帯電防止や抗菌などの効果を持つものもあり、クリーンルームの用途によって使い分けが可能です。

温湿度制御可能

  • クリーンルームは高気密性能を持つため、要求レベルの温湿度を維持・制御しやすい環境となります。

施工期間を短縮

  • クリーンパネルを使った建築工法は、軽量鉄骨工法に比べて施工期間を短縮できます。

移設や増設が可能

  • クリーンパネルの取り外し、再施工による移設・増設が容易に実現できます。
  • ただし、空調機の再構築が伴うため、増設に伴い制御変更がある場合は、空調機を入れ替える大改造になる可能性もございます。

クリーンブースの特徴

生産装置や作業域を局所的に清浄化した空間をクリーンブースと呼ぶ

  • フィルターと送風機を搭載した自立型の局所的な空気清浄装置です。
  • クリーンルームと比較すると安価であり、局所的クリーン環境なため省エネに優れています。

オーダーメイド自由設計

  • 主にアルミ材を使用する場合が多く、既製品のものから設備に合わせて大きさを自由に変えられるオーダーメイド設計まで幅広いニーズに対応可能です。
  • 柱脚部にキャスターを取り付け移動式クリーンブースといったカスタマイズ設計も可能です。

ソフトパーティションやハードパーティションを目的に応じた仕様で選定可能

  • ソフトパーティション(ビニールカーテンなど)・・・帯電防止、抗菌、防虫、防災
  • ハードパーティション(プラスチック板や金属板など)・・・除電、耐熱性

移設や増設が可能

  • クリーンルームの増設よりも容易に施工可能で、新規で設計施工するよりもコストを削減できます。
  • 増設するクリーンブースの大きさによっては、清浄度クラスを維持管理するための空調機器の増設も必要です。

クリーンルーム・ブースの一般的な特徴や違いを解説した動画。1分10秒頃から本編が始まります。

エアフィルターとは

エアフィルターとは、空気中に浮遊している粒子状物質をろ過により清浄度する装置のことで、クリーンルームでは粗塵用エアフィルター、中性能エアフィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターが使用されています。
汚染物を排出し室内空気を清浄に保つためには、主に換気による方法と、エアフィルターなどで空気汚染物を除去する方法があります。ろ過で粒子を除去するエアフィルターは、粒子径と補修率から下記の4種類に分けられます。

名称 粒子径 補修率
粗じん用エアフィルター ~5㎛以上 50~90%程度
中性能エアフィルター ~1㎛以上 95%以下程度
HEPAエアフィルター 0.3㎛ 99.97~99.999%
ULPAエアフィルター 0.15㎛ 99.9995%以上

クリーン環境において最も重要な要素であるHEPAフィルターについてJIS Z 8122ではこのように定義されています。「定格流量で粒径が0.3㎛の粒子に対して99.97%以上の粒子補修率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)以下の性能をもつエアフィルター」のことです。
下の図は、代表的な微粒子の種類と大きさ、HEPAフィルター、ULPAフィルターの適用範囲です。

HEPAフィルター

エアフィルターの種類・各種効果・交換時期を解説した動画もあわせてご参照ください。(1分20秒あたりから本編が始まります。)

評価試験

クリーンルームを設置する目的は、塵埃やケミカル成分による製造の汚染を防ぐことにあります。
クリーンルームは製品の研究・開発及び製造・生産する作業環境が清浄な状態に形成され、更にその清浄環境が常に維持されている空間である事が必要です。また、扱われる製品や製造・加工プロセスの種類によっては清浄度クラスだけでなく、風量、室圧、温度、湿度、気流、照度、微生物量や静電気などの環境条件を制御対象を定量的に評価・検証することが必要です。

※横スクロールでご覧いただけます。

項目 測定機器(参照) 目的
フィルターリーク測定 パーティクルカウンター 空気清浄度を満足させるために、装着フィルターに対して粉塵のリーク(漏洩)がないことを測定する。
風量測定 Tr式微風速計 吹出し風速(風量)が適正に維持されているかを測定する。
清浄度測定 パーティクルカウンター 清浄度クラスレベルが設計値に適しているか否かを確認する。
温湿度測定 温湿度自己記録計
通風式乾湿球計
室内の温度、湿度が設計許容変動幅以内になっているかどうか測定する。
室圧測定 差圧計 清浄度クラスの維持、安全性担保のため、全ての扉を締めた状態でクリーンルーム内外の差圧を測定する。
気流測定 気流可視化装置 気流可視化装置により、気流の方向を確認する。
照度測定 照度計 クリーンルーム内の照度を確認する。
微生物測定 空中浮遊菌サンプラー、寒天培地 室内浮遊菌濃度が設計値に適しているか否かを確認する。

クリーンルームの評価試験「フィルターリーク測定」「風量測定」「清浄度測定」の3点を解説した動画。56秒頃から本編が始まります。

クリーンルームの評価試験「温湿度測定」「室圧測定」「気流測定」「照度測定」の4点を解説した動画。1分09秒頃から本編が始まります。