お客様のお困り事　　HB-04

A製鉄所様より、大口径ガス配管のメンテナンス工事を行う際の安全対策に関するご相談がありました。
通常、メンテナンス工事の際はガスを全て抜くことが最良ですが、A製鉄所様では配管の総延長が数kmに及ぶため、全てのガスを抜いて工事を行うのは不可能です。
一定区間ごとに水封弁が設置されていますが、安全基準で必須とされている2重遮断の基準を満たせず、バルブ交換や補修ができない状態でした。
そこで、もう一つの遮断方法として、遮蔽板の取付けという案も出ましたが、費用が高いために実施が難しい状況でした。

＜２重遮断とは＞
メンテナンス工事を行う際、機械や設備による巻き込み事故、ガスや薬品による災害を防ぐために、必ず2重の安全対策を行うこと。
電源の場合：主電源と操作電源の両方をカットする。
バルブの場合：基バルブに加えて、別の箇所にも遮断対策を行う。

蒲田工業からのご提案内容

ガスストッパーの仕様を検討し、メーカーと打ち合わせを行いました。
しかし、お客様の配管径が直径4000mmと大きすぎるため、規格品のダクトストッパーや俵型のパイプストッパーでは中央部分が自重で垂れてしまい、配管内部に密着しないことが判明しました。

ダクトストッパー

パイプストッパー

そこで、球形のゴム引布製ガスストッパーを提案いたしました。

この結果、配管の大幅な改造をせずにガスの遮断に成功いたしました。

解決した内容、お客様の声

お客様にテスト用の配管を製作していただき、試作のガスストッパー（直径約1000mm）を挿入した状態で上流側からエアーを送り、下流側への漏れがないかを繰り返し確認しました。
シールが問題なく機能していることを確認できたので、本来の配管に適した寸法（直径4000mm）のガスストッパーを製作・納入しました。
これにより、2重遮断が可能となり、大口径の配管工事が実施できるようになりました。
さらに、遮蔽板の取り付け費用の約10分の1で済み、2～3回の再利用が可能な点でもコスト削減につながりました。

【注意】
・コークスガスの場合のみ、ゴム材質を油分に強いゴム材質（NBR）に変更しても劣化が激しく、再利用はできませんでした。
・その他のガスの場合、標準ゴム材質はネオプレンゴムを使用します。

蒲田工業がご提供できる価値

今回の事例においては、ニッタ化工品株式会社様の代理店としてご提案しました。
蒲田工業では他社とも協力し、ゴム化工品やゴム引布の製品をオリジナル形状で製作し、幅広い用途で提供いたします。
お客様に最適な製品・技術のご提案をいたしますので、お困りの際はぜひご相談ください。