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表面処理(目的・性能別検索) 選定ポイントのご紹介

「滑り性」選定のポイント

生産・製造設備では、触れ合う2つのものの滑り性を向上することによって、生産効率の向上や不良率の低減等の効果があります。また、部品の長寿命化にも役立ちます。
滑り性を求める場合、一般的には潤滑剤を用います。潤滑剤が使えない場合に表面処理加工技術の選定を行います。
母材の材質、寸法、形状、使用条件、使用環境などによって、選定すべき表面処理は異なります。また、実際の使用条件に近い形でテストしながら表面処理種類を選定することをお勧めします。
下記2点から選定ポイントを解説します、是非ご参照ください。 【Point1】潤滑剤がないドライ環境下で、滑り性向上を発揮させたい場合
【Point2】使用中の表面処理加工技術よりも、滑り性向上させたい場合

「滑り性」の紹介ページはこちらから
使用例 ホッパー、金属配管内面、ガイド、ターンバー、ステージ、搬送機器のガイド、冶具、ヒーター、金型、切削工具、機械部品、モールドパーツ、駆動部品、搬送用プーリー、シャフト、カッター、ブレード、スクリューヘッド、ローラー、ロール、シリンダー、ノズル、攪拌軸、ホットプレート等


「離型性(非粘着性)」選定のポイント

離型性は表面に粘着物を付着しない性質を表し、非粘着性という表記もあります。
離型性(非粘着性)を向上することで生産時間ロスの削減や歩留まりを上げる効果があります。
離型性(非粘着性)を求める場合、粘着物の状態(パウダー、ジェル状、液体等)によって、選定すべき表面処理は異なります。また、離型性(非粘着性)に優れても、他の性能が使用条件に満たさなく生産上に採用されない場合があります。
実際の使用条件に近い形でテストしながら表面処理種類を選定することをお勧めします。
下記4点から選定ポイントを解説します、是非ご参照ください。 【Point1】粘着物が粉体、半溶融樹脂や食品(添加物や水分、油分含有等)などの固形物の場合
【Point2】粘着物が水や油の液体の場合
【Point3】粘着物がガムテープ・セロテープのような粘着性の強いものの場合
【Point4】使用中の表面処理加工技術よりも、離型性(非粘着性)向上させたい場合

「離型性(非粘着性)」の紹介ページはこちらから
使用例 ラベルシール、粘着テープ、ローラー、搬送ラインのガイド棒、射出成形の金型、投入シュート、樹脂成型の金型、ゴムロール、搬送コンベヤ内面、押出用スクリュ、搬送用プレート、搬送用ローラー、ヒートシール、ブロー成形機ダイス、刃物、治具、粉体ホッパー、スピンコーター、攪拌機、ドリル、自動車部品、ロボット部品、ノズル、ボルト、ナット、ベルト、タンク、蓋、機械部品の摺動部等


「耐摩耗性」選定のポイント

耐摩耗性とは、材料の表面が相対運動によるすり減る現状を起きにくくする特性です。
駆動部品、ベアリングなど摩耗の影響を受けやすい箇所に耐摩耗性を向上することで機械の寿命延長や製品精度の維持に効果があります。
耐摩耗性を求められる場合、対象母材(基材)との密着性、摩耗の原因となる接触物や搬送される物との硬度差、素材同士の相性、使用環境の温度などによって、選定すべき表面処理は異なります。実際の使用条件に近い形でテストしながら表面処理種類を選定することをお勧めします。
下記6点から選定ポイントを解説します、是非ご参照ください。 【Point1】ピストン、シリンダー、メタルベアリング、ギアなどでよく発生する「すべり摩耗」の耐摩耗性向上の提案例
【Point2】シャフトをはじめとした回転物による接触時に接触面から物質が脱落していく現象「転がり摩耗」の耐摩耗性向上の提案例
【Point3】「衝撃摩耗」の耐摩耗性向上の提案例
【Point4】リベット・ボルト締結部によく発生する「フレッチング摩耗」の耐摩耗性向上の提案例
【Point5】ポンプやタービンのプロペラが高速運動するときよく発生する「キャビテーション摩耗」、「エロージョン摩耗」の耐摩耗性向上の提案例
【Point6】使用中の表面処理加工技術よりも、耐摩耗性向上させたい場合

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使用例搬送ガイド、レール、配管内径(ベンド管)、シャフト、スリーブ、ノズル、ポンプケーシング、ロータリーバルブ、粉砕刃、ガイドロール、回転体摺動部等


「密着性」選定のポイント

密着性とは、処理された表面処理加工技術(コーティング)が対象となる母材(基材)との密着性をよくすることとなります。
密着性が悪いと製品へのコンタミの懸念や、コーティングの早期剥離による再度処理が必要となってしまいます。
密着性を高める表面処理加工技術の効果は、母材との相性や母材表面の粗さに依存します。
また、面取り、加工目の条痕、傷や打痕の有無なども関連します。

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「耐蝕性」選定のポイント

酸やアルカリ性の薬品、有機溶剤など含有されている製品の製造工程や、清掃時で強力洗剤を使用される場合は、耐蝕性が求められます。
耐蝕性を求める場合、腐食の原因となる成分と使用環境の温度帯、使用方法、使用環境によって、選定すべき表面処理が異なります。
また、耐蝕性と同時に、耐摩耗性や滑り性、離型性(非粘着性)などの性能を求められることもあります。

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使用例ホッパー、金属配管内面、ガイド、ターンバー、ステージ、搬送機器のガイド、冶具、ヒーター、金型、切削工具、機械部品、モールドパーツ、駆動部品、搬送用プーリー、シャフト、カッター、ブレード、スクリューヘッド、ローラー、ロール、シリンダー、ノズル、攪拌軸、ホットプレート等

「耐熱性」選定のポイント

耐熱性を求める場合、使用環境の温度や温度の変化を考慮して選定を行うことが必要となります。
ゆっくりと熱がかかる(加熱、冷却)場合には耐熱性に優れても、急熱、急冷(熱衝撃のある)環境では、亀裂や密着性の低下など新たな課題が発生してしまう場合があります。
いわゆるヒートショックが起き、コーティングそのものが割れることや、母材の熱膨張~熱収縮などに追従できずに割れてしまうこともございます。
耐熱性と同時に、耐摩耗性や滑り性、離型性(非粘着性)などの性能が必要されることが多いです。

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「耐衝撃性」選定のポイント

耐摩耗性で必要な摺動運動、回転運動以外に、衝撃や面圧などかかる際に生じる金属材の塑性変形や割れなどが原因で設備に不具合を起こしてしまうことがあります、その場合に耐衝撃性が求められます。
母材が変形してしまうほどの衝撃が加わりますと、ほとんどの表面処理やコーティングがそこから割れや剥離をしてしまいます。なかなか母材をバリアできる表面処理は残念ながらございません。

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使用例回転羽根、ワーク、パーツフィーダ、シュート、ホッパー、振動バレル、スクリーン、トップチェーン 等

「グリップ力(滑り止め)」選定のポイント

グリップ性が必要な場合、万能な表面処理・コーティング種類がありません。以下のように複合処理によって、グリップ力向上を目指す方法があります。
・シリコーン(柔らかい)や表面摩擦係数の高い材質をコーティング
・表面をざらつかせ、表面凹凸を対象に食い込ませるスパイク効果を狙う。

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使用例搬送ロール、フィルム、ロボットハンド、検査装置ワーク、AGVガイドレール、タイミングベルト 等

「電気絶縁性」選定のポイント

電気絶縁性コーティングを求める場合、金属素材の表層に絶縁処理をすることで異種金属同士の電食を防ぐことができます。
また、静電気の発生を極力すくなくしたい、弱電程度の電気を流したくない部品など基本的には樹脂系のコーティングが採用されることが多いです。
一部、DLCなども電気絶縁性は付与が可能です。

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使用例装置部品、電機部品 等

「導電性」選定のポイント

導電性コーティングを求める場合は、金属系の素材を使用した電解めっき系であれば特に問題なく導電性が確保できます。 また、帯電防止効果がある樹脂系コーティングを提案されることもあります。

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使用例切削作業台、把持具、搬送部材の静電気付着防止、搬送部材の帯電防止、ガラス基板、シリコーンウエハーなどの吸着部材 等

「寸法精度」選定のポイント

寸法精度を求める場合、寸法精度と同時に、耐摩耗性や滑り性、離型性(非粘着性)などの性能が必要されることが多いです。
シャフトや軸などの場合、寸法精度(嵌め合い等)がある場合がほとんどとなりますので、表面処理のみで精度範囲に収めることは厳しく、厚メッキなどを施してから機械加工で研削や研磨が必要となります。

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「加飾膜・装飾コーティング」選定のポイント

世の中にあるさまざまな商品の中で、美観性や肌ざわり、風合いなどを重視されるものは数多くあります。
陽極酸化(アルマイト)や電気めっき、バレルめっきなどの手法の他に、セラミックコーティングをはじめ、フッ素系、ガラス系などのコーティングも美観に加えてプラスαの機能が付与できる場合がございます。

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使用例スマートフォンの外装、キッチン周り 等

表面処理種類の特性一覧表

表面処理技術 滑り性 離型性 耐摩耗性 密着性 耐食性 耐熱性 耐衝撃性 寸法精度
ダイクロン 450℃
ブラストロン 450℃
ダイモール 450℃
無電解ニッケルめっき 650℃
フッ素複合無電解ニッケルめっき 300℃
無電解ニッケル・ボロン 650℃
硬質クロムめっき 450℃
硬質アルマイト 100℃
着色アルマイト 100℃
DLC 400℃
JCコート™P 100℃
イオン窒化処理 300℃
超硬金属溶射 1000℃
鉄系アモルファス合金溶射 600℃
セラミック溶射 1200℃
セラミックチップライニング 210℃
セラミックスリーブライニング 750℃
TNGコート 1200℃
セラミックコーティング(蒸着) 400℃
セラミックコーティング 450℃
非粘着樹脂コーティング 150℃
フッ素樹脂コーティング 180℃
セラミック配合フッ素樹脂コーティング 260℃
フッ素樹脂熱収縮チューブ 80℃
フッ素樹脂ファブリックシート 180℃
PEEKコーティング 260℃
重合反応薄膜フッ素系コーティング 400℃
薄膜シリコンコーティング 300℃
超高分子PEライニング 80℃
FRPライニング 150℃
抗菌・防カビコーティング 80℃
高強度・防滑床ライニング 100℃
高引裂きシリコーンコーティング 180℃
ポリウレタンコーティング 60℃
複合処理「B+D」 400℃
複合処理「M+F」 400℃
表面処理技術 滑り性 離型性 耐摩耗性 密着性 耐食性 耐熱性 耐衝撃性 寸法精度

特に優れています 優れています 使用可能 使用不可

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