
クリーンルームとは【浮遊粒子濃度が制御されており、室内における微小粒子の流入、生成及び停滞を最小限にするように建設され、使用され、また例えば、温度・湿度・圧力などが必要に応じて制御されている部屋】(ISO14644-1)と定義されています。クリーンブースとは、局所作業環境の清浄化を目的に開発された一方向流のクリーンユニット(簡易型クリーンルーム)のことです。
限られた空間、製品などの内部、表面又は周辺について、要求される清浄度を保持するために必要とするあらゆる事柄について、計画を立て、組織し、実施することです。
クリーンルームは、工業用途とバイオ用途に分かれています。
| インダストリアル(工業用) クリーンルーム |
主に空気中における浮遊微粒子が対象 半導体を中心とする電子工業や精密機械工業におけるクリーン環境です。(半導体、フラットパネルディスプレイ、プリント基板、記録媒体産業、 電子部品産業、電気品組み立て産業、 原材料製造産業、精密機械、印刷産業、粉体製造) |
| バイオロジカル クリーンルーム |
主に空気中における浮遊微生物が対象 薬品工場、食品工場、病院の手術室など、無菌に近い環境で、ウイルスや、カビ・細菌類が製品に混入されないようにします。(食品・飲料製造・充填設備、医薬品製造、病院、動物実験施設、 化粧品製造、宇宙産業、 バイオテクノロジー、遺伝子研究施設、菌・ウイルス実験設備) |
クリーンルーム内の清浄度の指標として、単位体積に含まれる粒子の数でクラス分けが行われます。

現在、日本においては、クリーンルームにおける空気清浄度を表す規格は統一されていません。これまで長年使用されてきた米国連邦規格Fed.Std.209Eは、2001年に廃止され、国際統一規格であるISO規格に移行されていきます。今後しばらくは、慣用的に使用されてきたFed.Std.209Eと、ISO方式を併用するものと考えられますので、規格によって異なる基準に注意しなければなりません。 清浄度を表す主な規格は下記のとおりです。
1m³当たりの0.1μm以上の粒子の最大許容粒子数を10の累乗で表示したときの指数。
2002年にISOと整合しています。
クラス1〜9
1キュービックフィート(立法フィート)中の0.5μm以上の粒子数に基づく指数。2000年には廃止されていますが、現在一般的に用いられる基準です。※1feet=0.3048m 1立方feet=28.3リットル
クラス1〜100000
JIS規格が取り入れられ、ISO規格では、1m³当たりの0.1μm以上の粒子が基準になっています。
ISOクラス1〜9
| ISO清浄度 | (Federal Standard 209E) 相当クラス |
上限濃度(個/m³)は、以下に示す対象粒径以上の粒子濃度を表している | |||||
| 0.1μm | 0.2μm | 0.3μm | 0.5μm | 1μm | 5μm | ||
| ISO クラス1 |
10 | 2 | |||||
| ISO クラス2 |
100 | 24 | 10 | 4 | |||
| ISO クラス3 |
(クラス1) | 1,000 | 237 | 102 | 35 | 8 | |
| ISO クラス4 |
(クラス10) | 10,000 | 2,370 | 1,020 | 352 | 83 | |
| ISO クラス5 |
(クラス100) | 100,000 | 23,700 | 10,200 | 3,520 | 832 | 29 |
| ISO クラス6 |
(クラス1000) | 1,000,000 | 237,000 | 102,000 | 35,200 | 8,320 | 293 |
| ISO クラス7 |
(クラス10000) | 352,000 | 83,200 | 2,930 | |||
| ISO クラス8 |
(クラス100000) | 3,520,000 | 832,000 | 29,300 | |||
| ISO クラス9 |
35,200,000 | 8,320,000 | 293,000 | ||||
クリーンルーム清浄度は下記の要因の組み合わせで決まるため、必要清浄度に応じて各要因を含む全般的な清浄度のレベルを管理する必要があります。
| ルーム内の発塵量 | 作業者・生産装置・外部からの持ち込み |
| エアフィルタ | 種類と用途 |
| 換気回数 | 非一方向流の場合に重要 |
| 気流性状 | 一方向流/非一方向流 |
| 保守管理 | 室内清掃状況 |
汚染物を排出し室内空気を清浄に保つためには、主に換気による方法と、エアフィルタなどで空気汚染物を除去する方法があります。ろ過で粒子を除去するエアフィルタは、粒子径と補修率から下記の4種類に分けられます。
| 名称 | 粒子径 | 補修率 |
| 粗じん用エアフィルタ | 〜5μm以上 | 50〜90%程度 |
| 中性能エアフィルタ | 〜1μm以上 | 95%以下程度 |
| HEPAフィルタ | 0.3μm | 99.97〜99.999% |
| ULPAフィルタ | 0.15μm | 99.9995%以上 |
クリーン環境において最も重要な要素であるHEPAフィルターについてJIS Z 8122ではこのように定義されています。「定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子補修率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)以下の性能をもつエアフィルタ」 下の図は、代表的な微粒子の種類と大きさ、HEPAフィルタ・ULPAフィルタの適用範囲です。

クリーンルーム・ブースの清浄度を維持するためには、設備の機能とともに設置後の維持管理が重要です。下記の四原則を遵守することが不可欠です。
クリーンルームの四原則